稲生育研修会にて、長1719と出会う。

2011年06月09日 22:29

このようにどーんと看板の立っている田んぼがちょこちょこ存在します。
P6030076.jpg
これは展示圃と言いまして、農協さんや普及所(農業指導する県職員さん)の方々が
地域ごとに設定するもので(田んぼの持ち主さんにお願いして看板を立てる)、
定期的に生育調査して看板に草丈、茎数、、葉数、葉色などを書き込んでいきます。

看板のデータを今後の管理の指標にしていこうっつーわけです。
※私も自分の田んぼでやってます


そんなわけで、この圃場を舞台に農協・普及所さん主催の稲作管理勉強会なども行われます。
先日行われた勉強会に私も参加してきたのですが、そこで「ある凄い稲」の存在を知りました。

その名は「長1719」。
P6030075.jpg
展示圃の中に、一本だけ植わっています。
名前の由来は確か長岡試験場で1719番目に誕生した品種・・・だったかな?
(記憶が怪しい。汗)

この稲は何が凄いかと言いますと、
コシヒカリの穂肥の時期をピタリと当てるのだそうです!

稲の穂肥とは、7月頃に実(米)を付ける為に必要な栄養を与える作業なのですが、
肥料を与えるタイミングを見極めるのが難しく、この作業はお米の
品質・収量に影響を与えるのでとっても神経を使う作業なのです。

=うんちくタイム==============================
植物は最初葉っぱや茎を作る「栄養成長」を行い、ある程度の段階から
花や種子を作る為の「生殖成長」へと生育ステージを切り替えていきます。
※トマトなんかは栄養・生殖成長と同時に行います(植物体がデカくなりながら実も付ける)。

米の場合も同様で、この生育ステージの切り替わるタイミングを見計らって
穂肥を与える必要があります。 

肥料を与えるタイミングが早過ぎると、茎が長く延び過ぎて
後々倒伏(稲が倒れる事、稲穂が地面に着くと米の品質が下がる危険あり)
する可能性があります。

また、タイミングが遅くなれば米の充実不足となり品質・収量も下がります。
=====================================

なので米農家としては、出来る限りこのタイミングを見極めてやろうってんで
7月になると稲の茎を剥き剥きしてステージ切り替えの証である稲穂の赤ちゃんを探します。
※幼穂探しのようすはこちら


この作業、メンドくさいじゃないですか。
せっかく剥き剥きしたのに「穂、まだありませんでした」って時のガッカリ感・・・。


そこでこの「長1719」の登場です!
※やっと話が戻ってきました。

長1719は極早生(実の付きが早い)品種でして、
コシヒカリと一緒に育てると先に穂が出てきます。

なんと・・・長1719の出穂(茎から穂が出てくること)タイミングが、
コシヒカリの幼穂発生(生殖成長への切り替えタイミング)にドンピシャなんだとか!
つまりメンドクサイ剥き剥き作業が不要に!


この大発見は偶然見つかったもので、何回かコシヒカリと長1719を育てているうちに
「あれ・・・これタイミング一緒じゃね!?」ってな具合に気付いたんだそうです。


話を聞いてこれは便利だー!と思ったのですが、
まだ種がそんなにないので苗を手に入れる事が出来ませんでした。

なので今年は試験穂の長1719を観察させて貰い、
無事に実をつけたら来年種籾として分けて貰おうと目論んでおります!

今後、長1719とコシヒカリの成長の様子(出穂の頃)もブログでお届けしたいと思います。


【長1719要注意事項】
①新潟県の育成品種のため、新潟県外へは門外不出。
②出穂・登熟が周りの稲より早い為、ほっとくとスズメに一斉につつかれて米が残らない。
 ※その為、コシヒカリと一緒に植えても刈取時に混ざる事が無いんだとか。
  逆に種籾が採りたい時は穂に鳥除けの網を掛ける必要あり!





コメント

  1. ◇のび~◇ | URL | uKDvp3oE

    Re: 稲生育研修会にて、長1719と出会う。

    すごい品種があったもんですね。
    うちは一発肥料なので追肥は行いませんが、そんな便利な物があれば、追肥にして収量増加を狙いたい所ですね。(笑
    我が家は今日、田植えが終わり
    ようやく一息つける感じです。
    田植機が水没したり、色々ありました。
    が、しかし
    これで機械整備に時間を費やせますよ。

  2. 継枝 | URL | -

    ウチも一発肥料なので、追肥しませんが、この品種、すんばらしいですねー。

    新潟県から門外不出ってのが羨ましい。ぜひひとめぼれバージョンも欲しいところです(汗)

    これは親父の持論ですが、「ウチは収量より品質。追肥して稲を倒すと品質を下げるばかりか、稲刈り時の時間のリスクが大きくなるから、追肥はやらん」だそーです。んーその論理も良いだろうが、やっぱし収量は欲しいなぁーと考えてしまうものです。

  3. ソデ | URL | -

    すごい!「長1719」。
    来年手に入れられたら、二粒程分けてください!是非!

  4. 石井 | URL | lFH9V1S2

    コメントありがとうございます。

    【◇のび~◇さんへ】
    コメントありがとうございます。

    私もこんな品種があるなんて驚きでした。
    タイミングがぴったり分かれば肥培管理も
    容易になりますね(^-^)

    田植え機水没・・・!お疲れ様でございました。汗
    機械もヒトも、しっかり休息とメンテナンスをとって
    下さいね(^^ゞ


    【継枝さんへ】
    コメントありがとうございました。

    確かに、長1719はコシヒカリのみにしか
    相関性がないですもんね。

    ひとめぼれ、つや姫、ササニシキなどの稲にも、
    積算温度で相関性をもつ指標稲になる様な品種が
    開発されたら凄く助かりますよね。

    倒伏と時間的ロスの考え方は同意です。

    収量を追いつつ品質も落とさない。
    二兎を追える農家になりたいですね・・・!


    【ソデさんへ】
    コメントありがとうございます。

    私も今から虎視眈々と狙っております。笑
    調査圃場の農家さんから頂く事が出来たら
    是非おすそわけしたいと思います(^-^)




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