TPP(環太平洋戦略的経済連携協定)を考える。

2010年10月26日 23:53

農作業から離れた記事ばっかりが続いてしまい申し訳ないです。汗  ◎ブログの応援、何卒宜しくお願いしますー! → ブログランキング現在の順位は?


最近のニュースや新聞でTPP(環太平洋戦略的経済連携協定)の事が
頻繁に取りざたされています。

いち農家としては、当然このTPPの行方を非常に注視しています。

昨日ブログで触れた「コメ王国新潟のいま」は、日本の中での新潟の問題。
このTPPは、世界の中での日本の問題です。


改めてお話すると、このTPPってのは太平洋沿岸国の皆で
「互いに関税を撤廃して、貿易や投資を自由にやろうぜ。」って取り組みです。

当然外国への工業製品の輸出や、資源・製品の輸入など
色んな面で今以上の恩恵を受けることが出来る訳です。

が、しかし。
農業の分野に置いては、他国の安い農作物がなだれ込む事になる為
手放しでは喜べないのです。
※今の日本は自国の農業を守る為に、米を始め色んな作物に
 高い関税を掛けて、外国の農作物の過度な輸入を防いでいます。


農業新聞では、連日TPPへの批判的な記事が文面に踊っています。
「日本の農業、更には資材や流通などの関連産業まで壊滅する」と。

一方、大衆向けの一般的な新聞などでは、
「確かに農業被害は深刻だろう、でもTPPに参加しないともっとやばい。」
的な見解も見受けられます。
======================================
試算によると、日本が参加せず、他国に輸出を奪われるなどした場合、
20年時点で日本の輸出額が8.6兆円、生産額が20.7兆円減り、
GDPを1.53%幅押し下げることになるという。
======================================
※新聞記事より抜粋。


歴史上、自国の農業を軽視した国は先が無いとか、
安全保障上他国に食料を委ねるのはどうなんだという議論も当然のようにある訳ですが、
どうやらTPPは世界的な流れであり、現政権もTPPへの参加、推進をはかる考えを
見せている以上、日本だけが自国の農業を守る為に参加しない事は厳しいでしょう。

机上の数値だけでいえば、TPP参加時の農業損失は4兆円。けれども、
もし日本がTPPに不参加だった場合、国の損失は4兆円の比では無いらしいです。
※これらのデータには各省庁ごとの思惑も絡んでいるらしく、実際の所はよく分かりません。


勿論、私自身はTPPへの参加はしてほしくは無いですが、
冷静に考えればこそ、今は貿易が自由化された後の日本で生き残る農家に
なるにはどうするかを頭をひねって考え抜く時にあるかと思います。

もしTPPが始まれば農業を取り巻く環境は確実に激変します。
行政・流通(JA・民間含む)・食品加工業・産地・農家みな変化を余儀なくされます。
個人農家である私も、今後の農業経営の舵取りを考えなければなりません。


TPPに農業大国である米国、オーストラリアが参加する以上、
単なる規模拡大による低コスト農業の対抗策では日本農業に勝ち目は無いです。

関税の自由化を逆手にとって、オランダの様に
高付加価値農産物生産の力を高めて農産物輸出大国を目指すのか。

北欧の農業国の様に、「消費者が自国の国土保全や産業保全を考えて、
輸入品よりも高い国産品を選ぶ」。そんな意識作りに国を挙げて取り組むのか。

一部の欧米国家の様に、消費者による農作物価格の維持で農業を支えるのではなく、
国による補助金政策で国内農業を維持するのか。


これから訪れる大きな選択は、生産側だけでなく消費側も一緒に考える問題です。
是非、今後の日本農業がどうあるべきか考えながら、一緒にTPPの行く末を
見守って頂けたらと思います。



最後に。

私個人としては、個人需要についても、加工や飲食業などの業務需要に関しても、
安い外国産農作物が入ってくることで買う側に選択の自由が増す事は良い事だと思います。
キレイ事だと言われると思いますが、どの道、選択肢を排除しなければ
買って貰えないものしか生産出来ない日本農業であってはならないと思うからです。


日本が国としてTPPへの考え方を表明するのは、
11月13日、APECでの首相の発言になると言われています。

あと2週間ちょい。

来年以降の営農計画を練り直すのは、
来月のニュースを見てから行いたいと思います。


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コメント

  1. 山本 | URL | -

    Re: TPP(環太平洋戦略的経済連携協定)を考える。

    久しぶり~!色々精力的に頑張ってるみたいだね!
    実はこの件について丁度連絡しようと思ってたところだったんだよ。
    まだ本決定じゃないけど経済のグローバル化、アメリカとの関係強化の
    上でもTPP参加の流れには向かっていくでしょう。
    今朝の日経で玉木農園の玉木さん(多分知ってるよね)が
    台湾に年間150tもの米を輸出してる、という事実を見て
    正直感動というか一種のショックを受けた。
    道はやっぱ作ろうとしないと出来ないんだな~って実感。

    石井農園や若手農業者グループの動きには注目してます。
    で素人の俺の意見は、日本独自(新潟独自?)の土質、水質、日光、空気等
    で日本でしか出来ない味や農作物を大学や専門機関と協力して作っていく事
    って出来ないのかな?もうやってる事かもしれないけど…

  2. 石井 | URL | lFH9V1S2

    コメントありがとうございます!

    【山本さんへ】
    コメントありがとうございますー!
    コツコツと農家をがんばっております!

    玉木さんの事は、ちょうど新潟でも特集をやっていました。
    発想、そして行動力ともに凄い方だなぁと改めて
    尊敬する農家さんです・・・!

    新品種やブランドに関しても特集していて、
    今新潟ではコシヒカリに続く新品種の開発や
    企業(カレーで有名な某食品メーカー)と連携した
    商品開発も行っているそうです。

    カレーに合うコメ、寿司に合うコメ、
    ギャバなどの有用成分を豊富に含む米・・・etc。

    TPPは締結されれば確実に大きなダメージを
    国内農業に与えると思いますが、これをきっかけに
    農業が大きく活性化する事にも繋がるのではとも
    考えます。

    どちらにせよ、農家は今まで以上に努力せねば
    生き残れない時代であります・・・!

  3. 雪だるま | URL | EBUSheBA

    Re: TPP(環太平洋戦略的経済連携協定)を考える。

    農業への転身を考えているものですが、TPPに日本が参加すると、転身は諦めなければいけないかなあと思います。
    農業に関わらず、物の価格は流通・生産にかかった人件費の積み重ねです。
    海外の人件費は日本の1/3以下です。
    無駄を省いて生産効率をあげようにも、限度があります。
    価格競争で勝つには、農作業を大規模化かつ無人化するしかないと思います。
    日本人が、日本の農業を思い、高い農産物を買ってくれるかです。
    今の日本の貧富な考えでは難しいかなあと思います。

  4. 石井 | URL | lFH9V1S2

    コメントありがとうございます。

    【雪だるまさんへ】
    コメントありがとうございます!
    TPPへの参加は確かに大きな影響を日本農業に与えると
    思います。作目によっては壊滅的な打撃にもなるでしょう。

    けれど、現状日本が課している各輸入作物への関税比率、
    他国の生産量・生産状況を踏まえた今の輸入状況を踏まえて
    必ず日本農業が無くなる事はないかと思います。

    環境の厳しさは増しますが、活路は必ずあります。
    事業の方向性やTPPによって環境が変る事で
    今後国内農業にプラスになる部分もあるかと思います。

    日本農業だから出来る事、求められる事に
    選択と集中を行いながらこれからの時代に適応したいと思います。


  5. 埼玉君 | URL | u7bicnxg

    Re: TPP(環太平洋戦略的経済連携協定)を考える。

    いつも愉しく拝見させて戴いております。

    TPPの問題についてですが。。。
    (あくまでも、一消費者としての考えですが。。)

    農作物、米、食料品に関して、日本国内の消費者は、
    国産を最終的に選択するのではないかと思います。
    確かに、輸入される農作物は安いでしょう。。
    でも、毎日、食べるものでもあります。
    国産品と比較すれば、味が数段落ちるのは、周知の
    事実だと思うのです。

    食に関しては、世界一ウルサイ日本人。。。
    導入当初の安さ攻めで、購買視線が輸入品に行くとは
    思いますが。。食べれば、それも長続きしないかと。。

    正直、私の家庭でも(薄給でそれほど贅沢は出来ない
    ですが。。)、食べて美味しいもの、国産品を選択する
    事を最優先しています。

    補助金だ、補償問題だ、JAだ。。農業従事者の皆々様
    には、抱えきれない諸問題が多いと思いますし、簡単に
    結論付けられるような答えではないと思います。

    が。。しかし。。国民の食に対するスタンスを、少し
    信じてみては如何でしょうか?
    最終的には、美味しい国産品が勝ち残ると思いますよ。

    すみません、誠に手前身勝手な意見を。。。
    しかも文筆下手な文章を、何の脈絡もなく書いてしまい
    まして。。。

    とにかく。。日本の農家さんには、頑張って戴きたい
    です!!
    遠い、埼玉は川越の空の下から。。応援しております!

  6. 石井 | URL | lFH9V1S2

    コメントありがとうございます!

    【埼玉君さんへ】
    コメントありがとうございます!

    確かに、国内の国産農作物への需要は
    決してなくなる事はないと思います。

    先行して自由化が行われたかんきつ類においても、
    産地に大ダメージを与えはしましたが、やはり
    国産需要の後押しや産地努力によって今も栽培を続けています。

    既に比較的関税の低い野菜類に関しても、
    TPP締結後も生食用やある程度の業務需要に置いては
    国産野菜の優位は変わらないと思います。

    一番の脅威は畜産、そしてやはり米だと思います。
    米は政策に守られ過ぎたせいで他の部門に比べ
    圧倒的に足腰が弱いです。

    そして、独自に生き残る農家がいる半面、
    主食用以外の加工米需要が外国産米に流れる事で
    今以上の米価下落、そして農地維持、急激な離農増加など
    多くの問題が起こる事が予想されます。

    この環境の激変は間もなく、ほぼ確実に起こると思われますので
    その荒波の中で自立する農家として、なんとか踏ん張りたいと思います・・・!

  7. Re: TPP(環太平洋戦略的経済連携協定)を考える。

    私は、
    http://www.youtube.com/watch?v=nmf8Ki4aeQw (無料)
    http://www.videonews.com/on-demand/511520/001660.php (有料)
    を見ましたが、関税については、米は高いみたいですが(その他個別の農作物につても知らないですが)、全体を考えると日本は安い様でアメリカが為替を政治力で操作するので、関税どうこうと言っているのはアメリカ側からの情報操作による目眩しでしかない様です。
    また、農業だけに焦点をあてた報道も目眩しでしかないみたいです。

  8. 石井 | URL | -

    Re: Re: TPP(環太平洋戦略的経済連携協定)を考える。

    【赤木さんへ】
    コメントありがとうございます。

    確かに、日本の農作物の関税は世界的に見ても低いですし
    野菜などに関しては5%前後の低税率が多いです。

    そして私も、農業以外の金融やサービス、人材の流動化の方が
    TPPによる経済全体への影響が大きいと感じます。

    6月までの間、まだまだ議論は紛糾しそうですね。

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