青果市場という存在について。

2011年12月09日 22:47

私が野菜を取引している県内の青果市場にて。
早朝の競りを見に行くと沢山のネギが並んでおります。
PB140045.jpg
裸の状態で並んでいるこれらのネギは、個人出荷のネギで
主に地場で消費されます。
(関東へ送る個人のネギやJA出荷のネギなどは基本箱に入れて出荷されます)

競りが始まるとこの活気。
PB140051.jpg
市場の競り担当者や買参人が威勢よく値を読みあげます。



今年は一時中国産並の安値までネギの値段が落ち込みましたが、
最近は幾らか値段が持ち直し、相低価格内の安値ラインまで水準を回復しました。

この辺りでは3本のネギをテープで1束にまとめて、それを一箱に15束詰めます。
(地域によってこれがL規格であったり、M規格であったりします。重さは一箱5キロ。)
つまり一箱で45本のネギが入る訳でして、最も値が期待できるL規格一箱の価格は
大体1200~1500円くらいが想定ラインです。
 
しかし今年は全体的に軟調で、一時700~800円の価格が結構続きまして。汗

ネギは特に価格下落幅が大きかった野菜ですが、
大根・白菜などの重量系秋野菜は軒並み価格安に悩まされたようです。

※たまに消費者の方に「市場の価格がそんなに安いのに、なんでスーパーの価格は
  それほど安くならないの?」と聞かれる事があります。
  例えば市場価格でネギが一束(3本)30円の価格が付いたとしても、
  スーパーでの小売価格は98円程度が精いっぱいだと思います。
  それは小売店の場合、極端に価格を安くしてもお客さんの商圏や胃袋の大きさは
  決まっている為、売れる量がたいして増える訳でもないからだとか。
  そして小売業者も様々な経費・固定費が掛かっていますので、極端な
  薄利多売に動くことは出来ないって聞いた事があります。
  
  
  

野菜は天候によって生産量が大きく左右されるために、
需供バランスが崩れやすく価格が暴騰と暴落を頻繁に起こします。

そしてそれらの価格変動は野菜生産・農業経営を行う上でも非常に負担になります。

だから安定的に経営を行う為には、生産する野菜の数割は
再生産できる価格での契約販路を持つ事が大事と考えます。

実は私も春から県内の卸業者さんや小売業者さんらと商談を行い、
契約販売の販路を模索してきました。

がしかし。

夏の大雨による生育不良にて出荷スケジュールが大きく乱れたこと。
秋の価格大暴落によって末端顧客(飲食業など)が固定価格の商品から
離れてしまった事などにより、準備してきた計画は全く実行出来ませんでした。汗

私自身の未熟さが大きな要因でありますが、
やはり出荷数量・出荷期間の安定性や取引先との細やかなフォローなど
個人で全てを行うのは非常に大変なことであるってのも今年痛感致しました。


農業を行う上で生産から販売までの全てを己で管理するのが理想だと私も考えます。

お米などの穀物の場合でいえば、商品が保存性に優れていることから
栽培と販売をそれぞれ分けて、全てに取り組む事が出来ます。
(実際、ウチも稲作部門は個人への直売が販路のメインになりつつあります。
 ウチ程度の規模では直売なくして経営が成り立ちません・・・お客様に感謝です!)

しかし、野菜に関しては作業のピーク(収穫・調整)に並行して
販売や営業業務にもあたらねばならなくなる為に個人経営の規模で
1人が何役もこなす場合、非常にシンドイです。汗 

販売業務が忙しくて、生産に手が回らないなんて事になったら本末転倒。




そんな悩みを抱えていた訳ですが、今年から積極的に
市場と直取引するようになってから、市場の担当者から
今後の取引・農業経営について色々な提案をして貰えるようになりました。

作物の提案から販路、取引先についてまで。

契約栽培においても市場に仲介して貰う事で商品供給の不安定リスクを
調整して貰ったり、顧客のフォローを市場が細かく代理してくれることで
より生産に力を入れる事も出来ます。

これは私の様な小規模な生産者にとっては非常にありがたいこと。



現在、市場外流通の増加などにより
地方市場の多くは経営が厳しい環境にあるといわれております。

そんな中にあって、市場も生き残る為にどんどん変化しているのだと聞きます。
生産者と共に発展して行く為に、事業の幅を広げている市場もあります。


山形のある青果市場では、市場が資材の販売・作物の集荷・作物の選果や
農家の負担を軽減する為に出荷調整を手伝ったり、栽培技術の指導、更には
野菜のカットなどを行うパッケージセンターを有して生産者の利益・市場の利益を
高めているんだとか。

※この地域では農協以上に市場が地域農業をけん引しているとのこと。



私もまだまだ市場の仕組みや存在について勉強不足ですが、
自分からもどんどん積極的に動いて学んでいきたいと思います。

市場はモノを右から左に流すだけでは無いのです。
今後もっと市場と色んな付き合い方をしたいと思います。


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コメント

  1. mQchaso | URL | -

    Re: 青果市場という存在について。

    読んでてとても勉強になりました。※のところとか。

    最近は農業の六次産業化などもいわれておりますが、小規模経営の農家からしたらそんな簡単にはできないものですよね。

  2. 福平 | URL | -

    Re: 青果市場という存在について。

    >私が野菜を取引している県内の某青果市場。


    「某」という表現は失礼です。
    社会的には、何となく暗いイメージです。

    「ある青果市場」など、いかがでしょうか。

  3. ひで | URL | -

    Re: 青果市場という存在について。

    こんばんは
    うちの方では長ねぎはまだまだ800円位で推移しているようです。
    あと想定ラインも1000円超えればいいという方が多いのでほかの市場より平均的な相場が厳しいようです。

  4. 石井 | URL | lFH9V1S2

    コメントありがとうございます。

    【mQchasoさんへ】
    コメントありがとうございます。

    六次産業化は経営発展に有効な方法だと
    思いますが、労働力や経営資源にかぎりがある
    小規模・個人経営の場合、なかなか簡単に
    取り組めないのも現状だと思います。

    ウチも人手と経営資源は限られておりますので
    選択と集中の中でやれる事をやっていきたいと思います。


    【福平さんへ】
    コメントありがとうございます。

    場所を特定しないという意図での「某」でしたが、
    確かにネガティブな場面において企業・人物などを
    伏せる時にも良く「某」が用いられますよね。

    配慮不足でございました。汗
    さっそく某の文字、修正致しました。


    【ひでさんへ】
    コメントありがとうございます。

    >長ねぎはまだまだ800円位で推移しているようです。
    なんと!
    関東産の出荷が本格化していると聞きますので、
    関東の市場では供給過多がより鮮明に出ているのでしょうか・・・。

    こちらでも今年は1000円超えれば良いという方が
    多いです。汗

    例年であれば中心等級のLで1200~1500円の値がついて、MやB品などの下位等級品も含めて金額を割った平均額で1000円程度はほしい・・・ってのが
    新潟では良く聞く想定ラインです。

    今年はとにかく価格の低迷期間が長いので、
    特に価格の下がった10~11月が出荷ピークの
    新潟では、利益が全く出なかった農家さんも
    いたと思います。 

    本当に困った年であります。汗






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